ネットワークは,1+1=2の世界ではない。その繋がりが生み出す力は,1+1を100にも,10,000にも変える。まだ誰も,感じたことがない力が,すでにそこには,ある。
ターボリナックス社は20日,並列クラスタリングソフトの最新版「エンヒュージョン6.0」を発表した。エンヒュージョンは,複数コンピュータの並行処理により,スーパーコンピューター並の処理性能と高可用性を実現する。他のクラスタリングソフトと比べても,高性能・高拡張性を重視している。
1台のコンピューターには,限界がある。システムは使われるごとに傷ついていく(内部的に,メモリが食われたり,ディスクの断片化が起きたり,など)。サーバー機などでもそれはまったく変わらないから困ったものだが,そんなときはクラスタリングは大きな力となる。数台のコンピューターに処理を分散化させることで,一台のコンピューターにかかる負荷が少なくなり,処理能力は1+1以上に大きくなる。また,たとえ1台がクラッシュダウンしても,他のコンピューターは動き続ける。または,運用機と待機機を用意し,運用機が止まった場合に待機機で運用を続けるフェイル・オーバーも有効だ。
スーパー・コンピューターの能力とは比べ物にならないほど小さなマシンても,クラスタリングによって複数台が接続されることで,結果的にスパコンの能力をしのぐこともある。また,負荷の分散により,より安定した運用となることもある。そこにある,繋がる力は,甘美さを感じさせる。SETI@homeなどでも行われていることだが,インターネット上のすべてのマシンをクラスタリングできたら…,その力は,神をも凌ぐだろうか? な〜んて,考えたりして。
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